2011年10月25日火曜日

電子書籍

i読が話題になっています。
本の綴じ込みハガキを送ると電子書籍がもらえるというサービスです。
i読の方から直接RTをもらって、中の人もいろいろ考えてがんばってるんだなー、というのは伝わってきます。
だがしかし、まずもって国内の出版業界は全滅するでしょうね、海外勢によって。
良い例がCDとipod/iTunesという形で目の前にあるのに何も学ぼうとしない態度をみると「早く海外勢に潰されてしまわないかなぁ」とapple や amazonに期待してしまいます。
iTunesがここまで普及して成功している理由は、
いま手元にあるありふれた端末で、欲しい曲だけ買えて、その場ですぐ聴けて、好きなようにデータを使えて、そして安い。
逆にCDは、
お店に行かないとダメで、アルバムと称して聴きたいかどうかわかんないものも抱き合わされて、とりあえずはCDプレーヤーかパソコンに取り込んで、何かする度にコピーガードうんたら、で値段3倍。
勝負になりませんな。
じゃあ書籍で成功しようと思ったら、iTunesのままをすれば良いのに。すなわち、
日本独自規格なんかやめて国際フォーマットを採用して、利用方法に制限を付けないで、価格を低く抑える。
そして、YouTubeみたいに誰でも使えるフラットフォームを提供して、これからの作家を取り込む。
こうしないと、appleかamazonが彼ら独自ののプラットフォームを提供したとき、今からの作家は皆そちらに流れてしまうぞ。
そうなったら、過去のコンテンツで食べている今の出版社に未来はない。せいぜい著作権を延長するくらいしか対抗策はないのだ。
まぁ安く手軽にたくさん読めるなら、それでもいいけどね

2011年10月23日日曜日

日韓通貨スワップ協定にみえる危うさ

今月の12日、何をトチ狂ったか日韓通貨スワップ協定の限度額を現在のおよそ5倍まで拡大しました。
twitter上ではあたかもこの額の資金を韓国に丸々わたすような誤解があり、かなりいろいろなtweetが飛び交いました。実際には、韓国が取引に外貨通貨を必要とするにもかかわらずすぐに準備できない場合、日本にウォン預入れることで、日本円やドルを受け取れます。
で、 なぜか「冷静に火消しをする」連中は、曰く「お金の融通額を拡大しただけで、あげるわけではない」「返せない場合も棒引きになるわけではない」「韓国経済 がクラッシュする方が大変だ」「欧州がギリシャで大変なので、日本しか資金融通できない」などなどフザケた擁護をしています。
「通常」の通貨スワップ協定ならばそれも正しいのです。
例えば会社に例えると、黒字経営なのに手持ちの運用資金がクラッシュするために倒産、なんてことがしばしば起こります。要は自分の借金はすぐに支払わないといけないのに、売掛金の回収が何ヶ月も先になるので不渡りが出てしまうのです。
いま話題の松下でも創業期に同じような事が起こりました。で、銀行に資金融資を依頼に行ったら、その時の担当者は帳簿を仔細に調査して、次のように言ったそうです。
「う ちからわざわざ金利のついた金を借りなくてもよろしい。かわりに毎日、仕事が終わったら従業員全員で売掛金を回収に回りなさい。それで十分です」と。なん とまぁ、今と違ってキッチリした調査能力と社会に対する責任感をお持ちだったようで。で、結果、松下は倒産する事なく今の姿を残しているわけです。
話がそれました。
つまり、国家でも貿易の際に同じことが起こるのです。このとき短期的に資金を融通してもらう仕組みが通貨スワップ協定です。何だ、なにも危ない事はないじゃない、と思うのは早いわけで…
まず、韓国の外貨準備高3000億ドル・・・本当ならこんな協定なんぞいらないわけです。すなわち、こんなお金本当はなくて支払いが滞りそう(すな わちクラッシュしそう)なので慌てて協定を結んだ(結ばせた)、と見るべきです。つまり、韓国がクラッシュすると進出している外資系企業は大損をするの で、彼らとしては時間を稼ぐとともに資金を可能な限り引き出して損失を押さえたい。さりとて自分たち(西欧諸国)がIMF経由で融通していたのでは自分の お金を付け替えるだけなので意味がない。そこで、日本に通貨スワップ協定の形で資金を融通させ、外貨を引き出して損失を最小限に抑える。丸損なのは日本の み、というわけです。
なので、日本としてはこんな協定結んではいけなかった。だいたい危ない資金を融通できる程に日本の財務状況って良かったですか? G20で毎度のよ うに「おまえは自分の借金なんとかしろよ」って爪弾きにされてるんですよ? 韓国がデフォルトになると日本も大変?韓国は大事な黒字貿易先? 一時的には 損失は出るでしょう。けれども貿易は何も1国だけを相手にしているわけではないのです。韓国相手に取引している産業は韓国がデフォルトを起こせばその他の 国に移ります。そこと取引すればよろしい。
最後に「国際的な信用を失うのでデフォルトの可能性は限りなく低い」なんてことを言っている方がいますが・・・リーマンショックの引き金を引いた事で既に信用なんぞありません。だからこそ外貨準備に手間取っている、ということをお忘れなく。

2011年10月16日日曜日

国民皆保険制度と混合診療

先日のTwitter上で「混合診療を認められると格差が縮まる」と主張している、超のつくどあほうがいた。何故それがデタラメで、それは格差を広げるだけの、如何に医療アクセスをダメにする愚策かをここに記しておく。
まず混合診療推進派は、市場原理にもとづいて「お金を支払う意思のある人を、医療にアクセスさせないことは悪である」と主張する。
が、しかし、市場原理に基づく資源配分は,財力がない人々を資源の配分から排除する。
つまり、混合診療の解禁は、お金のない患者を必要な医療から排除する、言いかえると「おかねにもとづく配給制」を実現するにすぎないことが理解できていない。
国庫にお金がうなっているわけではないのだから、混合診療によって医療保険の「私」すなわち「民間」部分は拡大し、「公」の部分は徐々に減る。
これは、「負担の逆進性」の推進以外のなにものでもない。「公」が「減る」あるいは「増えない」以上、民間保険でしかカバーしない医療の割合は増えるゆえに、「民間」の保険に加入するお金がない患者は「無保険者」である。
「公的」な保険がある? えーっと混合診療を推進する連中の主張の根拠はなんでしたっけ? そうそう、保険にない医療「だけ」を自費でってことでしたね。つまり「公的」保険による医療は役立たずなんでしょう? その割合を「増やせ」と主張してるのですよ、あなたがたは。
なのに公的な保険? 理論の破綻は明白ですな。
そして公的保険による官製市場の割合が減り(今は原則100%ですからね)「民」が自由に価格を決め るようになれば、保険を持つ患者と持たない患者で実際に負担する医療費に差がつくのは当然。
これを「医療負担の逆進性」といわずなんというのか。
アメリカと同様、個人が医療によって破産する時代になるのは、火を見るよりあきらかなのである。

2011年10月14日金曜日

感染症と予防接種

毎年、寒くなってくるとインフルエンザの予防接種について、テレビやネットをはじめ、いろんなところで騒がれ論争がまきおこる。つまり「予防接種を受けましょう」というプロモーションと「予防接種には意味がないし副作用が問題だ」という反対意見である。
で、反対派やメディアを見ていて苦々しいのが、あの連中には「リスクベネフィット」と「公衆衛生」という観点がまるっきりないのだ。
「リスクベネフィット」
報道や反対派が必ずやる例がコレ。
ワクチン同時接種後に男児死亡、6人目
でこれを見ていろんな予防接種の予定のある親御さんたちが、ブログやツイッターで大騒ぎを始めるのだ。
ねぇ、分母はいくつ?
この例でいくと約200万の接種数で6例なんですけど・・・問題ですか?
ちなみに、Hibの感染者数は>10/10万。うち死亡率5%+不可逆性の後遺症>20%ですよ?
なぜ、世界中で予防接種が推進されている中で、日本だけが取り残されているかというと、こういうリスクベネフィットを天秤にかける、という考え方をせず、ひたすらリスクだけを問題にするからです。もぅアホかバカかと・・・
これを言うと「予防接種しなければ副作用は出ない。人為的な云々・・・」という人たちが必ずいる。コイツらには次の観点がないのだ。
「公衆衛生」
予防接種というのは、何も免疫能を獲得して個人的に感染から身を守る、ということだけではなく「集団としての免疫能」を向上させるという目的があるのだ。
予防接種の副作用を避けたい、という個人的な意思の尊重はパンデミックのリスクを上昇させる。
ア メリカのカリフォルニア州で2010年に起こった百日咳の大流行は、まさにこの例。特にカリフォルニア州マリン郡というところは百日咳の予防接種を簡単に 免除してもらえるので、摂取率が他の地域に比べて極端に低い。といっても摂取率は90%を超えているし、差も5%程度なのだが・・・それでも大流行の下地となってしまっているのだ。
「人のために予防接種を受けて副作用が出たら、それこそどうしてくれる!」という連中にはこう答える。「あんたみたいな勝手な連中が感染症にかかるのは良いとして、あんたの子供がそういう勝手な連中から病気をうつされても文句は言わんのか?」
感染症と予防接種を考える時は、個人も集団の構成員だということを忘れてはいけないのだ。

2011年10月11日火曜日

放射性ヨウ素とヨウ素剤のはなし

未だにTwitter上で「ヨウ素剤を配布すべきだ」と叫んでいる人がいる。
そういう人たちは、どういう作用機序でヨウ素剤が放射性ヨウ素による被爆を予防できるかまるでわかっていない。
まずは、ただしい情報を身につけるべき。
しかしながらこれを読んでいるにもかかわらず、こんなことを言っている人もいる。
「日本人のふだんのヨウ素の摂取量が必要にして十分という ことと、新たなヨウ素を取り込まないことというのはまったく別です。我々は生きているのです、毎日細胞も新しく入れ替わっています。甲状腺も同じことで、 たとえ日本人であったとしても毎日の食事からの摂取でヨウ素をどんどん取り込む必要があります。」
・・・もう、どうやって説明して良いのやら。
甲状腺という受け皿に、食事で取り込んでいるヨウ素があふれてて、さらに毎日の食事でWHOから勧告を受ける程に過剰に取り込んでいるのに、
「それでも、「日本人はヨウ素が飽和してるんだから大丈夫」というのは暴論になると思います。」「「ウクライナの子どもたちに比べたら甲状腺へ放射性ヨウ素を取り込む量は少ないだろう」ぐらいです。」
と言う方が暴論じゃなかろうか、と思いますね。
こういう人たちは何が何でもヨウ素剤を服用させたいらしい。
さらに、もうひとつ重要な事は「放射性ヨウ素の半減期は8日」であること。流出が止まってから、いったい何日経っているか・・・2の20乗分の1まで減ってるはずなんですけどねー
過剰摂取によって甲状腺腫や甲状腺機能低下症がでたら、どう責任取るつもりなんでしょう。
無責任な押しつけをする人たちに「責任」なんて説いても無駄かなぁ。