2011年10月14日金曜日

感染症と予防接種

毎年、寒くなってくるとインフルエンザの予防接種について、テレビやネットをはじめ、いろんなところで騒がれ論争がまきおこる。つまり「予防接種を受けましょう」というプロモーションと「予防接種には意味がないし副作用が問題だ」という反対意見である。
で、反対派やメディアを見ていて苦々しいのが、あの連中には「リスクベネフィット」と「公衆衛生」という観点がまるっきりないのだ。
「リスクベネフィット」
報道や反対派が必ずやる例がコレ。
ワクチン同時接種後に男児死亡、6人目
でこれを見ていろんな予防接種の予定のある親御さんたちが、ブログやツイッターで大騒ぎを始めるのだ。
ねぇ、分母はいくつ?
この例でいくと約200万の接種数で6例なんですけど・・・問題ですか?
ちなみに、Hibの感染者数は>10/10万。うち死亡率5%+不可逆性の後遺症>20%ですよ?
なぜ、世界中で予防接種が推進されている中で、日本だけが取り残されているかというと、こういうリスクベネフィットを天秤にかける、という考え方をせず、ひたすらリスクだけを問題にするからです。もぅアホかバカかと・・・
これを言うと「予防接種しなければ副作用は出ない。人為的な云々・・・」という人たちが必ずいる。コイツらには次の観点がないのだ。
「公衆衛生」
予防接種というのは、何も免疫能を獲得して個人的に感染から身を守る、ということだけではなく「集団としての免疫能」を向上させるという目的があるのだ。
予防接種の副作用を避けたい、という個人的な意思の尊重はパンデミックのリスクを上昇させる。
ア メリカのカリフォルニア州で2010年に起こった百日咳の大流行は、まさにこの例。特にカリフォルニア州マリン郡というところは百日咳の予防接種を簡単に 免除してもらえるので、摂取率が他の地域に比べて極端に低い。といっても摂取率は90%を超えているし、差も5%程度なのだが・・・それでも大流行の下地となってしまっているのだ。
「人のために予防接種を受けて副作用が出たら、それこそどうしてくれる!」という連中にはこう答える。「あんたみたいな勝手な連中が感染症にかかるのは良いとして、あんたの子供がそういう勝手な連中から病気をうつされても文句は言わんのか?」
感染症と予防接種を考える時は、個人も集団の構成員だということを忘れてはいけないのだ。

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